セミナー「見える治療へのご招待」レポート
去る12月9日(日)、当会、顕微鏡歯科ネットワークジャパンの一般向けセミナー「見える歯科治療へのご招待」が青山のこどもの城にて開催されました。第一回目のセミナーのため、運営から告知までどのように進めていくべきかの試行錯誤しながらの開催となりました。また、講演する先生方は日々の診療の合間を縫いながらミーティングを重ね、開催日を迎えたとのことです。
当日は冬の気温ながらも日差しも暖かく、爽やかな青空の見える外出日和の気候となりました。会場のこどもの城903研修室には顕微鏡の実機が運び込まれ、また一方でセミナーのU-Stream配信のセッティングも用意され、着々と開場への準備が整っていきます。
14時の会場時間前からちらほらと観客の方が集まってくれていたようです。楽しみにしていただけるのは本当に光栄ですね。その後も少しずつ来場者が増えていきます。U-Streamのセッティングも顕微鏡の調整も終わり、あとは開会を待つのみ。
セミナーは時間どおり、14時30分にスタートしました。まずは講演者の歯科医4名が前に出て、吉田先生が代表して挨拶をします。本日の全体の講演内容を案内し、そのまま吉田先生のセミナーに入りました。
山口先生
吉田先生
吉田先生はセミナーの導入として顕微鏡が医療に使用される以前からの歴史の話を担当しました。感染の話から顕微鏡の発明、そして現在に至るまでの流れ。どのように医療がミクロの世界に入っていったのか、そこでいかに顕微鏡が重要なものであるかを解説しました。
吉田先生に引き続いて登壇したのが山口先生。山口先生は一般歯科についての講演です。特に、一般的な関心の強い「虫歯」と「歯周病」に絞ってのお話でした。図を用いてわかりやすい解説は、名前は知っていても具体的にどんな病気なのか、それはいったいどう危険なのか、ということまでよく伝わる内容でした。
三橋先生
櫻井先生
その次の講演者、三橋先生は顕微鏡を歯科治療で用いるメリットを解説しました。顕微鏡を用いなかった場合と用いた場合ではこれだけ歯科医の見える範囲が違う、ということを実際の症例の動画を用いて説明し、聴講者の方々に顕微鏡を使う重要さを訴えました。
最後に登場した櫻井先生は診療時と同じ白衣姿。まずはこの日会場に用意された顕微鏡を使用し、プロジェクターとモニターに顕微鏡を通して見えている世界を写し、実際の診療の場面をシミュレーションしました。また、千円札を顕微鏡で拡大し、肉眼ではようやく線として認識できるものの中に実は文字が書かれていることを会場に見せ、顕微鏡を使うことでどれだけ拡大して対象が見えるかということを伝えました。
その後、会場に訪れた方にも実際に顕微鏡を覗いていただく時間を設けました。この日、講演する先生のサポートで会場に駆けつけてくれた岡野先生、表先生、澤村先生の手伝いもあり、たくさんの人に実機に触れていただけました。
4人の先生がそれぞれ違った面から顕微鏡歯科治療について解説をし、それぞれがよく噛み砕かれた、わかりやすいセミナーでした。会場で実際に聴かれていた方々も同様の感想を持たれたのではないでしょうか。今回、会場とU-Stream、合計で100名ほどの方々に聴講いただきました。第一回目のセミナーのため、色々と反省点もありました。しかし、それを活かし、今後のより一層の顕微鏡歯科の普及のため、顕微鏡歯科ネットワークジャパンは第二回、第三回とより邁進していきます。今後ともどうぞよろしくお願いします!