vol.3 第三回 「いい歯医者さんはどこに」

痛みを堪えながらホテルの部屋に帰り着き、鞄の中に常備していた痛み止めを飲んで一息つきました。
「歯医者さんに行かなきゃ、、」明日の予定は昼過ぎの新幹線で移動なので午前中なら少し時間があります。問題はどこの歯医者さんに行くか、ってことです。この地に知り合いの歯医者さんはいません。たとえ知り合いがいたとしても迷惑をかけそうで気が引けます。でも、治療してもらうならやはり”顕微鏡歯科医”ですよね。だって、顕微鏡歯科医ですからね、私は。

ノートパソコンの検索キーワードに「歯科 顕微鏡」と入れてみると市内に2件ヒットしました。ホームページを見るとどちらもホテルからは少し距離があります。治療内容は、、、判りません。もちろん顕微鏡はあるようですが、その内容がどうなのかまでは判断できません。ホームページは宣伝ですので院長の主張が表れますが客観的な指標にはなりません。講演会や学会活動を通じて「顕微鏡を持ってはいるけれど、実はあまり、、、」という歯科医院が少なからずあることを知っているので疑い深くなってしまいます。悲しいことですが、現実です。顕微鏡は買えば手に入りますが、使いこなす技術は鍛錬の賜物ですからね。

さてどうしたものか、と悩んでいるうちに痛み止めが効きはじめ、旅の疲れも出たのか眠りに落ちてしまいました。
翌朝目覚めると痛みは軽減、このままやり過ごせそうだと思いながら家族で朝食会場へ。和洋食ともに地元食材を生かした料理がビュッフェスタイルで並んでいます。美味しそうな料理ですが、夕べのことがあるので我慢してお皿には載せません。お豆腐とご飯とみそ汁だけにしてそっと食べ始めました。

が、やはりダメでした。右側の歯でゆっくり食べてみましたが、歯医者である私でも顎の動きはコントロールできないようです。どうしても左の歯があたってしまい、夕べほどではありませんが少しずつ痛んできました。こうなると一刻も早く歯科医を受診しなくては、と思い、家族の食事が終わるのを待ってそのままフロントへ直行します。

「いい歯医者さんはどこにありますか?」とコンシェルジュに尋ねました。既に自分で探す余裕は無くなっていたのです。素早くパソコンに向かったコンシェルジュは車で数分の歯科医院の地図をプリントアウトしてくれました。地図を受け取った私はそのままタクシーに飛び乗りました。

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  5. vol.1 第一回 顕微鏡歯科医が治療を受けるとき
  6. vol.4 第四回 「手は洗います、たしかに。」
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